スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- | スポンサー広告

<レビュー>道路整備事業の大罪

国道を撮り続ける者にとって、
このような標題の書物は
押さえておかなければならない。

そもそも、僕にとって、国道を撮ることは目的ではなく、
日本を広く知ることを目的であって、
その1つの手段として、
全国を網羅的に整備されている国道を選んだ。

それならば、鉄道や路線バスでも達成できそうだが、
自由に移動できる自動車、というものを、
免許取得とともに得ることができたからだ。

そうやって、国道と自動車とともに、全国を見てきて、
道路とはいったい、何なのか…
人は道路を作りたがるが、
それは果たして正しいのか…

道路は必要なのか、不要なのか。

どうも腑に落ちない、
なんとなく言いたいことがあるが、
なんて言ったら良いか適切な言葉が見つからず、
悶々としていた…

それをピタリと言い当ててくれたのが、本書だと思った。

本書は、道路がもたらす負の側面を事例を元に論破し、
モータリゼーションによって、ヒューマンスケールを越えた住みにくい都市ができ、
自動車を中心とした文明社会の限界を指摘している。

道路と自動車が好きな僕にとっては、身につまされる論調で、
「そんなに道路は悪いのか…自動車は悪いのか…」
と反論したくなるところだが、
具体的にどう反論したら良いか、ロジックを組み立てられない。

と同時に、筆者の意見も、多いに賛同する部分もある。

道路を通るだけでなく、写真を撮り始めたのは、
道路の良い点だけでなく、悪い点も知りたかったからである。

自動車の中の「プライベート空間」から出ることをせず、
単に目的地までの移動だけでは、
通過交通の1人になるだけであって、
そこからは何も見いだせないと思ったからである。
だから、2kmに1度は車から降りて、
カメラを撮ることを決意したのである。
50kmの道のりを30回近く車を乗り降りするのだから、手間ではある。

ただ、そこまでトライしても、分からないことがある。
それが、本書にあるような、過去からの経緯や、人々の暮らしぶりである。
僕が撮影するのは、長い地域の歴史の中の1点を切り取ったもの。
そして、そこで誰とも出会わなければ、そこの暮らしが豊かなものかどうか、
景色からだけでは判断できない。

そして、僕が撮影対象としている道路が、
その地域にとってどんな役割を担っているのか、
あるいは弊害をもたらしているのか、
正確に知ることができないのである。

このことだけは、国道撮影を6年続けて、分かってきた。
その地域の道路について、正確に知ることができないが、
6年続ければ、それなりに知識もつき、
想像はすることができる。

本書は、少々、感情論的に想像で述べている節もあるが、大筋で共感でき、
僕のモヤモヤが明文化されて、すっきりした気分になる。

ただやっぱり、大罪とまで言い切れないのが、国道稼業。

ついでに、道路だけでなく、
土木全般についても、大罪だと言われるんじゃないかと、
「道路は悪」の風潮を心配します。


2009.10.07 | コメント(6) | トラックバック(0) | レビュー

コメント

何が善で何が悪

> 道路は必要なのか、不要なのか。

本書を読んでいない僕が言うのもなんですけど

何が善で何が悪か、分からなくなって来ますね。

僕の考えでは

道路とはあって当たり前のものなのです。

その道路を悪といわれちゃうと。。。

難しい問題ですね。

こばやん^^

2009-10-08 木 00:10:44 | URL | こばやん^^ #- [ 編集 ]

Re: 何が善で何が悪

■こばやんさま
いつもありがとうございます。
善悪を、誰が決めるのか、どうやって決めるのか…
その手続きの話なんだと思います。

これまで、一部の政治家や官僚が、
私欲のためにつくった道路もあると思います。

客観的に、必要な道路かどうかを決めるのではなく、
それを利用する人や、沿道の地域の人たちが、
主観も含めて、決めていくことなんだと思います。

霞ヶ関で全てを決める政治の構造が間違っていると思います。

…個人的には、もう、田中角栄政権から始まった道路整備は、
だいたい一通り、重要な道路は建設を終えたんじゃないかな…
と思っています。

2009-10-09 金 00:44:25 | URL | lonechuck999 #- [ 編集 ]

難しい・・・

ありがとうございます。
是非読んでみたいと思いました。

どこの田舎にもほぼ確実に「ほとんど不要な道路」があると思います。
が、一番不幸なのは、ごく稀に利用する人が、その道路を必要と感じていることでしょうか。
自分たちの税金で造っているのだということを、逆手に、自分の村にも「広い道路」をと造り続けます。
農業用の道路はあんなに広い二車線は要らないと思うのですがね。

2009-10-09 金 20:45:24 | URL | ふう #IIqTYyaw [ 編集 ]

Re: 難しい・・・

■ふうさま
いつもありがとうございます。

>自分たちの税金で造っているのだということを、逆手に、自分の村にも「広い道路」をと造り続けます。

その通りだと思います。
道路を作るために税金を払っている、という一般的な考え方は、
僕もどうも納得しません。

僕が払った税金が、どこかの地域の、本当はさほど必要ではない道路建設に使われていると思うと、
腹が立ちます。

このうっぷんを晴らすために、
まだ走ったことの無い国道を走って、
「風景を見る」という無形の財産に変えて、
払った税を取り戻している…

というのも、国道走破を始めた目的の1つかも知れません。

2009-10-11 日 02:44:04 | URL | lonechuck999 #- [ 編集 ]

僕も

> …個人的には、もう、田中角栄政権から始まった道路整備は、
勿論、ここは同意なんですよ^^

道路族のお役人の方々の為の道路は全く必要ないと思います。

ただ、対コスト、利用率だけでは道路って計れないものなのかなぁ。。。
とも思ってます。

こばやん^^

2009-10-14 水 14:08:30 | URL | こばやん^^ #- [ 編集 ]

Re: 僕も

■こばやんさま
いつもありがとうございます。
政治家や土建業界が、「道路を作れば儲かる」という図式が、
諸悪の根源のような気もします。
道路を作るための理屈、例えば費用対効果だの利用率だの…
は、「儲けたい気持ち」の隠れ蓑にするための、言い訳に過ぎないと思います。

この金儲けの仕組みを作った人は、ある意味、天才です…と思います。

2009-10-14 水 23:32:39 | URL | lonechuck999 #- [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

FC2Ad

プロフィール

lonechuck999

Author:lonechuck999
国道、港湾、河川、都市を回る家出人

検索フォーム

FC2カウンター

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。