国道4号 日光街道の利根川橋(R125重複区間)

日光街道と利根川
R004_134
徳川家康が江戸(今の東京)に幕府を移したとき、利根川は東京湾に流れていて、江戸はその河口の氾濫域にあった。
水害常習地のこの地に幕府を置こうとした意図は諸説あるが、家康はこの氾濫域を克服する土木工事を行った。
利根川の中流域にあたる現在の渡良瀬・古河付近で川の流れを変える工事を行って、利根川の河口を今の銚子に移した。
これによって江戸は水害から守られるようになり、江戸が発展していった。
同時に、利根川は東北の勢力が江戸への侵入を阻む、天然の外堀の役割も果たしたとされる。
したがって、幕府は、利根川に橋をかけるのには慎重であった。
日光街道が栗橋で利根川を渡るところにも橋は無く、当時は船で渡した。
従って、栗橋側にも、対岸の古河側にも、船待ちの宿場があって栄えた。

日光街道は、東海道や中山道とともに、幕府が整備を進めた江戸五街道の1つで、日光東照宮まで続く重要な街道だ。
同時に宇都宮までは奥州街道と重複しており、現在は国道4号がそれを継承している。
(06.03.19.撮影)

利根川橋
R004_137
かつては利根川を船で渡していた日光街道は橋が架けられ、現在は上下線で別の橋が架けられている。
下り線は、大正13年に関東大震災復興事業で架けられたもので、利根川に架かる現役の橋の中で、最古のものと言われている。
橋中央部はトラスであるが、橋脚の数が多いのが特徴。
その後、交通量が増加したり、車が大型化したことなどにより、上り線用に橋を架けた。
さらに、国道4号自体が、交通量が増えてしまったことで、新4号バイパスが別に作られ、そちらが渡る橋は「新利根川橋」と呼ばれ、本橋よりはるか下流にある。
下り線用の古いトラス橋は、老朽化の進行と、多くある橋脚による出水時の障害により、撤去・架け替えされることとなった。
写真はその工事が進められているところだが、トラス橋はまだ供用されている。
土木近代化遺産にも指定されているトラス橋は、古河市側で保存されることになっている。
(06.03.19.撮影)


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2009.08.27 | コメント(2) | トラックバック(0) | 関東の国道

国道327号 岩屋戸ダム湖畔の国道交点

岩屋戸ダム下流の狭隘区間(宮崎県椎葉村)
R327_051
昭和初期にダム開発のために敷設された道路が、国道として使われている。
元々、椎葉村は北の五ヶ瀬町の方と結びつきが強く、東の日向市と結ばれたのは、このダム開発のために作られた道のお陰だ。
とはいっても、幅員が狭く、急峻なV字谷を通るために、難所であることには変わらない。
諸塚村中心部と椎葉村中心部の間は、このような区間が25kmほど続く。
(06.05.08撮影)

岩屋戸ダム(宮崎県椎葉村)
R327_049
戦前の昭和17年に竣工した岩屋戸ダムは、耳川に連なるダム群のうちの1つで、発電が主な目的のダムだ。
ダムは国道のすぐ脇にあって、写真のフェンスの向こうがダム管理地。
ここを過ぎると、もう間もなく、椎葉村中心部も近づき、国道265号との交差点も近い。
(06.05.08撮影)

ダム湖畔の交差点(宮崎県椎葉村)
R327_046
耳川の最上流部にある椎葉村は、途中の中流部が急峻な地形となっていて、下流部に向かう交通にとっては難所であった。
むしろ、分水界を越えて五ヶ瀬町へ抜けるほうが比較的容易で、かつては五ヶ瀬町と同じ西臼杵郡に属していた。
しかし、国道327号の前身であるダム開発用道路によって、耳川下流の日向市との結びつきが強くなって、戦後間もなく東臼杵郡に編入された。
以降、国道327号は椎葉村にとって重要な交通路になっているのだが、村内にはもう1つ、国道265号が通る。
数字的にはこちらの方が若く、村にとってもう1つ重要な、五ヶ瀬町へと抜けるルートだ。
その2つの国道の交差点が岩屋戸ダムの細長いダム湖畔にある。
(06.05.08撮影)


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2009.08.24 | コメント(0) | トラックバック(0) | 九州の国道

<ワンダーランド号>面倒みろや、その2

5月に定期点検に出したばかりのワンダーランド号。
それから3ヶ月、1万5千キロを走った…

点検時には正常だったところが、
やはり、徐々にボロが出てくる。



1)泣きの後輪ブレーキ
定期点検時に異常はなかった後輪のブレーキ。
「ブレーキパッドは、まだまだ残存ですよ」
と言われて放って置いたのですが、
やはり、摩耗。
「おじいちゃんが乗る自転車」級のブレーキの泣き具合。
パッドの交換時期が来ました。

2)隠しスピードメーター
速度計を照らす電球が玉切れ。
これじゃ、夜間はメーターが見えないです。
エンジン音と、流れる風景で、なんとなく速度感はつかめるのですが、
スピード違反で捕まる前に、修理です。

3)鈍るセルモーター
国道撮影時、2キロ走って、車を停めて、エンジンを切る…
計算上、50キロ区間の撮影では、25回、エンジンを始動させます。
これだけセルモーターを回せば、劣化してきます。
セルを回してからエンジンがかかるまで、約2秒。
かかるだけ、まだマシなので、
かかるうちに、セルを何とかせねば。

4)タイヤ交換
タイヤは、「乗り心地は悪いが、耐久性バツグン」のものをチョイスするのが鉄則。
転がり係数も小さくてエコでもあります。
そして、「急」が付く加速・減速・コーナリングを控えて、
ちょっと高めに空気圧を設定すれば、タイヤは長持ちします。
通常言われる交換時期は、4万キロ。
「耐久性タイヤ」に「エコドライブ」で、7万キロ使いました。
ようやく、溝が無くなってきたので、交換してあげます。

というわけで、明日、ワンダーランド号は、
定期点検とは別に、
イレギュラーの点検のためにドック入りします。

2009.08.22 | コメント(2) | トラックバック(0) | 走破日誌2009年

<国道部員>面倒みろや、その1

20090821152224
留守番女王のララさん。
生まれてこのかた12年、
留守番以外の仕事はしたことが無い、
ということくらいしか自慢がない、
留守番ネコなのですが、

このたび、留守番のし過ぎの過労により、
体調を崩しました。

直接の原因はよく分からないのですが、
水のようなものを吐く、
風邪のような症状です。

急きょ、動物病院に連れて行って、
獣医さんに見てもらいましたが、

熱もないし、問題はないから、
またひどくなるようなら、
薬をやって下さい、

とのこと。

ほとんど毎日、
留守番ばかりで寂しい思いをさせているので、

たまには、面倒みろや!

っていう体を張った抵抗だったのかな?

ごめんよ。
でも人間様も忙しいのだよ。

明日あたり、畳の部屋で、
「太の字」になって添い寝しますか…

今日は食欲も取り戻して、元気です。

2009.08.21 | コメント(4) | トラックバック(0) | 国道部員

<国道男>バイパス考

人類が「自由に、いつでもどこでも、移動することができる」という権利を得た時から、
交通を科学し、交通がもたらす正負の影響を科学し、
交通の最適解を求めた結果、その1つに「バイパス」という答えが出た。

しかしそこへ、交通がもたらす負の影響の大きさが、やはり無視できず、
再考を求められる時代になっている。

R007
山形県鶴岡市 国道7号バイパス

バイパスによって交通の流れが変わることにより、旧市街地は衰退し、
旧市街地の騒音問題が解決する一方で、バイパス沿道の環境は破壊され、
多額な事業費がかさんで、採算がとれなくなり、
他の公共交通機関の衰退によって、交通弱者が発生したりする。
他にも、負の側面は、挙げればたくさん出てくる。

一般に交通は、
「通行する人(受益者)」と「沿道の人・環境(負担者)」の利害がしばしば対立する。

交通問題の解決のために、
都市計画的なアプローチがあったり、
環境政策的なアプローチがあったり、
経済学的なアプローチなどがある。

でも、「自由に、いつでもどこでも、移動することができる」という権利をどう考えるか、
という哲学的なアプローチは、あまり耳にしない。
むしろ、移動する権利は自由であることで豊かな社会が実現されている、
と見るのが普通であろう。

昔は、関所があって、交通が制限されていた時代もあった。
軍事的な目的での制限だったようだが、
その時代は庶民の生活は豊かではなかったのだろうか?

一方で、現在は、
自由に移動できる健常者もいれば、
自由に移動できない弱者もいて、
交通の格差社会を生んでいないか?

もしかしたら、「移動の自由」が、
諸悪の根源かもしれない…

そうは言っても、「移動の自由」がある社会の中で、
どうすれば、最善の交通を作れるかを考える方が、
人類がやるべきことかもなあ…

…と、やたら車の流れの速いバイパスを眺めていて、思います。

2009.08.18 | コメント(6) | トラックバック(0) | 国道男2009年

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国道、港湾、河川、都市を回る家出人

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