国道327号 諸塚村の耳川
R503交点と耳川
九州山地に源流を持ち、椎葉村、諸塚村を流れて、日向灘に流れる耳川。
耳川の諸塚村より上流部は深いV字谷になっていて、最上流部の椎葉村は隔絶された山村だった。
このR327は、椎葉村への貴重なアクセス路となっているが、諸塚村のR503交点から椎葉村方面へは、深い谷の中を走って行く。
国道の脇の渓谷に迫り出すように建物が建てられている。
手前の茶色い建物は、発電所関係のものだ。
(06.05.08撮影)
耳川の渓谷
諸塚村のR503との交点を過ぎると、耳川の渓谷は深くなっていく。
急な斜面の中腹に道路が作られているが、近年、改良工事が進んでいる。
大正初期に財閥の寄付によって、R327の前身となる車道が整備され、造林事業や電力事業の発展に寄与した。
この道路が企業のためだけでなく、椎葉村や諸塚村にとっても重要な役割を果たすことになる。
(06.05.08撮影)
山地の崩落
九州山地は台風の通過地点でもあって土砂災害の多発地帯。
ほぼ毎年のように九州山地内を通る国道は被災し、寸断される。
R327も常習的に被災し、災害復旧工事なのか、改良工事なのかの区別もほとんど分からず、絶えず工事を行っている路線だ。
前方に見える茶色い山肌は、山地が崩落してむき出しとなった箇所。
植林された木々も流木として流れて行くので、下流にあるダム湖に流木が溜まる被害も大きい。
(06.05.08撮影)
改良済みの区間
R327では、着々と改良が進んでいる。
未だに大型車の通れないトンネルがあって、災害時に重機が入れない問題も抱えている。
そのような区間が徐々に解消されている。
(06.05.08撮影)
塚原ダム(国の文化財)
R327の前身となる道路が完成したことで進んだ発電事業は、耳川に多くのダムを生んだ。
塚原(つかばる)ダムもその1つで、昭和13年に完成。
当時としては最大級の重力式コンクリートダムで、日本土木学会の近代土木遺産の最高Aランクに評価認定された。
その後、国の登録文化財に指定されている。
国道は耳川の谷を走っているので、ダムは道路のすぐ脇にある。
(06.05.08撮影)
大きな地図で見る
2009.07.31 | コメント(0) | トラックバック(0) | 九州の国道
