国道1号 観光道路(神奈川県箱根町)
東京と大阪を結ぶ国道1号は、江戸五街道の一つ東海道の筋をたどる、日本の大動脈。
現在でも物流の重要なルートとして活躍する国道だ。
そんなイメージからは、国道1号はたいそう立派な道路を思い浮かべるかも知れないが、箱根町を通る区間だけは違う。
天下の険と称された東海道の箱根越えは、カルデラの箱根山の険しい峠道だった。
遊歩道になっている旧街道とは異なるルートで、国道1号は箱根を越えていく。
そのルートは、箱根湯本から渓谷沿いの温泉街を結びながら高度を上げ、強羅を経由して元箱根で旧街道に合流する。
箱根駅伝の往路5区の区間に相当し、急勾配、急カーブが続くところだ。
1号は500kmを越す東京・大阪の区間の中に、大都市の中に多車線を揃えた道路があったり、静岡県内のように整備された信号の無いバイパスがあったり、1号の名に恥じない立派な造りがなされている中、この箱根越えだけは温泉宿の軒下を狭い道路の中を走っていく。
むろん、物流関係の大型トラックには敬遠され、物流は有料の箱根新道へと流れていく。
ただし、山全体が観光地化された箱根にとって、国道1号は重要なアクセス路であるので、休日の国道1号は多くのマイカーや観光バスでごった返す。
温泉宿の宿泊客が箱根の観光を終えた日曜日の午後、箱根を下山する車が集中し、国道1号はひどい渋滞となる。
「日本の大動脈」というイメージが先行する国道1号だが、箱根越えを敬遠する物流トラックは国道246号へと迂回するので、箱根の国道1号はもっぱら観光道路の扱いだ。
軒下をかすめて通る路線バスは、国道1号の風景の中でも、ちょっと異色だ。
2009.02.28 | コメント(2) | トラックバック(0) | 関東の国道
